軍師官兵衛 第33回 傷だらけの魂


黒田官兵衛(岡田准一)と秀吉(竹中直人)の間の距離が広がってきた感じです。荒木村重こと道薫(田中哲司)は意外な人物と再会しましたね。

天正13年(1585)7月、秀吉は関白となり、9月に姓を豊臣と改めました。そして黒田職隆(柴田恭兵)がこの世を去ります。官兵衛は「父上、まもなくにございます。戦なき世はもはや夢物語ではございません」と手を合わせました。官兵衛は光(中谷美紀)黒田長政(松坂桃李)に後を頼み、大坂へ向かいます。

大坂城、蜂須賀小六(ピエール瀧)豊臣秀長(嘉島典俊)は「官位を与えられたから、一層張り切るのだぞ」と石田治部少輔三成(田中圭)福島左衛門大夫正則(石黒英雄)加藤主計頭清正(阿部進之介)を励ましました。

秀吉は「わしは関白として天下を静謐(せいしつ)にすることを帝にお約束した。これからは私利私欲に基づく争いは、この豊臣秀吉が許さん。天下惣無事!各地の大名に争いを止めることを命じる」と右手を前に押し出します。秀吉に従わないのは徳川、北条、九州薩摩の島津などです。


天満黒田屋敷、母里太兵衛(速水もこみち)は九州攻めで黒田家はた
だ働きだ、恩賞が無いと、栗山善助(濱田岳)にぼやきます。琵琶を弾いていた井上九郎右衛門(高橋一生)は、官兵衛のことを快く思ってない者が秀吉の近くにいると見抜いてましたね。

徳川家康(寺尾聰)を攻めるべきと三成が言うと、秀吉は官兵衛の言う通り、家康と戦わず、軍門にくだらせる策を考えよと命じました。秀吉は「政に関しては、お主ほどの男はおらん。じゃが、いざ戦においては、官兵衛の右に出る者はおらん。あやつは常に先を見る。このわしの考えを聞かずとも、常に先を言い当てる。その様は気味が悪いくらいじゃ」と三成に語ります。

おね(黒木瞳)が来たので、三成は去って行きました。おねは秀吉が茶々(二階堂ふみ)に執心だと嫌味を言い、跡継ぎを作らねばと心配します。秀吉はおねのことを間違って、茶々と呼んでしまいました(笑)

秀吉とおねたちと一緒に、舞を見ていた茶々はあくびをし、眠くなったと出て行ってしまいます。廊下で、茶々は道薫と会いました。荒木村重と知っていて、有岡城の戦いの話を聞きたいとリクエストします。

**
大坂城下の南蛮寺、官兵衛が訪ねて行くと、高山右近(生田斗真)がいました。歌われていた歌が、だし(桐谷美玲)が歌っていたものだと気付きます。右近は、行方不明になった村重とだしの子は生きていれば8つになると教えてくれました。

黒田屋敷、新吉(正名僕蔵)という新たに雇った男が紹介されます。九郎右衛門は「あの男、どこかで会ったような」とつぶやきました。新吉が家に帰ると、妻・さと(岡本易代)息子・又兵衛(藤野大輝)が迎えてくれます。又兵衛は絵に夢中です。

道薫は茶々に有岡城のことを話すことになったので、官兵衛に見届けて欲しいと頼みに来ました。やがて九郎右衛門に引き連れられ、新吉、さと、又兵衛が入ってきます。新吉はかつての村重の部下で、鉄砲組の谷崎新吉、さとはだしの侍女で、又兵衛は村重とだしの息子だったのです!道薫は「それがしに子などおらぬ」と去ってしまいましたね。

南蛮寺、官兵衛は右近をまた訪ねます。官兵衛がだしのことを思い出すと、右近は「苦しい時ほど、隣人を大切に思うのでございます。デウスの御教えにございます」と説明しました。

***
大坂城、道薫は秀吉たちを前に、有岡城で官兵衛を閉じ込めたことを話します。茶々から「恨んでおるか」と質問され、官兵衛はしばらく間を置いて「いいえ」と答えました。千利休(伊武雅刀)が「もうこの辺で」と言い、秀吉も止めますが、茶々は「聞きとうございます。妻や家臣を見捨て、何故1人生きながらえているのか?それを聞きとうございます」ときっぱり拒否します!

道薫は「死にたくても死ねないのでございます。それならばと開き直りました。生き恥をさらして、生きていくほかないと。私にはもはや人の心はございません。私は乱世が生んだ化物でございます。茶々様、それがしもあなた様にうかがいとうございます。父母を殺されながら、何ゆえ仇の元で生きながらえておられるのです?あなた様も私と同じ化物でございます。ここには化物しかおらぬ」と言い切りました。

秀吉が怒りますが、道薫は「天下惣無事など絵空事にございます。誰が天下を取ろうと、この乱世が終わることなどございません」と続けます。秀吉が「貴様」と太刀を振り上げると、道薫は「どうぞこのような首でよければどうぞお斬り下され」と冷静です。

官兵衛が「望みが叶いましたな、道薫殿。この男は死にたいのでございます。されど自ら命を断つことはできぬ。それゆえの悪口雑言」と大笑いすると、茶々も「殺してはなりません!生き恥をさらし、生きる続けることこそ、この男が受けねばならぬ報い」と少し笑いましたね。秀吉は「こやつをどこぞへ閉じ込めておけ」と出ていきます。

****
南蛮寺、右近は「あなたはあの方の魂を救おうとなさったのです。生きてこそ、いつかあの乾ききった心が潤いを取り戻す日が来る。私はそう思います。あなたはどうですか?何故ここへ参られるのか?あなたの心は何を求めているのですか?門はいつでも開いております」と官兵衛に話しました。

黒田屋敷、官兵衛は庭でチャボの絵を描いている又兵衛の声をかけます。1つの絵を見て、官兵衛は動きを止めましたね。

道薫は所払いとなります。大坂を出て行く前に、官兵衛は又兵衛を道薫に引きあわせました。又兵衛が坊主頭の道薫の絵を見せると、道薫は「よく似ておる」と涙し「だし、すまなかった」と又兵衛を抱きしめます。

官兵衛や利休に見送られ、道薫が旅立つことになりました。道薫は「官兵衛、わしはもう1度生きてみせる」と言い、又兵衛に「絵が好きなら、その道を究めるがよい」と筆をプレゼントします。天正14年、道薫こと荒木村重は亡くなりました。又兵衛は岩佐又兵衛となり、後世に名を残す絵師になったのですね。

*****
南蛮寺、官兵衛は右近らに見守られ、洗礼を受けます。オルガンチノ(ボブ・ワーリー)は官兵衛の額に十字を切り「今日からシメオンとお名乗りなさい」と伝えました。

播磨山崎城、善助から官兵衛がキリシタンになったと聞かされ、光とお福(阿知波悟美)はビックリします。

大坂城、秀吉は官兵衛や小早川隆景(鶴見辰吾)安国寺恵瓊(山路和弘)に、組み立て式の金の茶室を見せ、ごきげんです。

秀吉は虎の剥製を触りながら、官兵衛に九州攻めを命じます。官兵衛が「殿下のご出陣に備え、地ならしをしておきます」と頭を下げ、秀吉が「お主には苦労ばかりかけるの」と気遣うと、官兵衛は「それがしは勤めを果たしているだけ」と答えました。

三成が「殿下は黒田様のことを案じておるのでございます」と言い、秀吉は「四国平定の折には恩賞も与えず、不満があるのではないか」と聞きます。官兵衛が「滅相もない。それがしの方からご辞退申し上げたはず」と答えると、三成は「今度こそ恩賞を頂けますぞ。九州攻めが終わった暁には、黒田様には満足頂けるような大きな領地が…」と言いますが、官兵衛はそれを遮り「ありがたき幸せ。されどそれがしは領地が欲しくて働いてる訳ではございません」と話しました。

秀吉が「領地がいらぬと?ならば官兵衛、お主は何のために働いておるのじゃ」と聞きます。官兵衛は「殿下の下、天下が静まることのみを望んでおります」と答えると、秀吉は「無欲な男ほど怖いものはないの」と話します。次回は九州攻めですね。



関連記事

ページ上部へ戻る