とと姉ちゃん 第13週 常子、防空演習にいそしむ 第73回~第75回

昭和19年、常子(高畑充希)たちが深川を離れ、2年余りの歳月が流れていました。開戦から3年ほどを経た太平洋戦争で、日本は窮地に立たされていました。国内の物資不足も深刻化し、常子と鞠子(相楽樹)は物々交換で農作物をもらおうと、千葉へ出かけていきます。

農家を回っていきますが、着物や万年筆を見せても、食べ物と交換してもらえません。
農家の外で、女の子が貝殻で遊んでいたので声をかけました。そのおじいさんは「孫が喜ぶようなおもちゃはないか?」と言ってきます。

東京目黒の小橋家、君子(木村多江)美子(杉咲花)が雑草を食べられるかと笑い合いました。すると、隣組組長の三宅光政(有薗芳記)が「おい 不謹慎だぞ!戦地では帝国陸海軍が命を懸けて戦っているというのに、笑い声を上げるとは何事だ!慎みたまえ!」と叱ってきます。

鞠子と常子が帰宅しますが、何も成果がありませんでした。おままごと道具を交換してと頼むと、美子は「嫌よ。これだけは絶対に嫌!これはおばあちゃまとの思い出が詰まった大事なものなのよ」と断ります。君子が「美子が嫌がるのならやめましょう。庭のお野菜もあるしなんとかやっていけるわよ」とかばうと、美子は「私が食べる分減らします。だからお願い。これだけは勘弁して」と言います。

戦況が悪化する中、甲東出版は細々と営業を続けていました。常子が次の号がずいぶん薄くなったと言うと、五反田(及川光博)は「しかたないさ。紙が回ってこないんだから。それに僕たち2人で作るには、このぐらいが限界だ」と話します。

甲東出版では、既に五反田以外、全員召集されていたのです。谷(山口智充)は「必ず生きて戻る。甲東出版をよろしく頼む」と託して行ったのです。

鞠子は工場で事務の仕事を始めて3年余りがたち、女学校を卒業した美子も縫製工場に働きに出て、軍服作りにいそしんでおりました。
美子は「やっぱりあのおままごと道具、食べ物と換えて下さい。みんな我慢したり、苦しんだりしてるのに、うちは家族を兵隊にとられる心配もないし、こうしてみんな元気に暮らしていられる。それだけで十分よね」と話します。

常子は再び千葉の農家を訪ねました、今回は美子もともに。おままごと道具を見せると女の子とおじいさんは笑顔になります。常子から「よっちゃん」と言われると、うつむいていた美子は「楽しんで使ってね。見てこれ。蓋が開くの、すごいでしょ」と言いました。

三姉妹は野菜をたくさんもらって帰ってきます。美子は途中で座り込み「おばあちゃまは私たちのために下さったのに、いろんなものが無くなっちゃった。森田屋の皆さんは高崎に行っちゃったし、おばあちゃまはお店をやめてしまったし、まり姉ちゃんだって小説家諦めて工場で働いて、全部戦争のせいよ」と泣き出しました。
常子は「よっちゃん」と美子をなでてあげます。

鞠子が縁側でエンピツを削りすぎていたので、常子が「どこまで削るつもり?」と注意しました(笑)
鞠子は「とと姉、戦争っていつ終わるのかな?もしもこの先10年20年と戦争が続いたら、私はそれまでずっと工場で働いてるんだよね。家族に無理させて女子大まで行かせてもらったのに、今の私には何もない。手に職もないしお金をたくさん稼ぐ事だってできない。
けなげに振る舞ってるよっちゃん見てたら情けなくなっちゃって。だから私決めた。せめて次女としてみんなを支えられるようになるって」と話します。

甲東出版、五反田が常子に何か話そうとして、やめました。空襲警報が鳴り、2人は防空壕へと向かいます。

小橋家、鞠子は君子と美子とともに防空頭巾をかぶって、防空壕へ向かいますが、転んでしまいました。

長く続いた空襲がやっと終わります。五反田と別れた常子は家へ帰ってきました。常子が「鞠ちゃん、大変だったわね」と声をかけると、足をくじいてしまった鞠子は「駄目だったよ。とと姉の代わりになろうって思ったけど、私全然駄目だった。足くじいてみんなに迷惑かけるし、怖くて何も出来なくて」と言いいます。この時、常子の気持ちは固まりました。

甲東出版、五反田が「ご家族は大丈夫だったかい?」と聞くと、常子は「はい、おかげさまで。五反田さんは?」と聞き返します。
五反田は「うん、家内も息子も無事だったよ。しかし…亡くなった方も大勢いたらしい。そんな悲しい顔は美人には似合わないよ」と言いました。

常子は笑顔でうなずいてから「ずっと悩んでいたんですが、お国を守るために、戦争をしなければならないのはしかたない事です。軍人さんが命を懸けて戦って下さっているのも、よく分かっています。
ただ、戦争をたたえるような雑誌を作る事が私にはどうしても苦しくて。いろいろなものを奪っていく戦争をたたえ、国民をあおるような雑誌を作りたいという気持ちには、どうしてもなれないんです。なんとかして違う内容の雑誌を作る事はできないでしょうか」と訴えます。

五反田は「じゃあ僕が、その苦しみから解放して進ぜよう。もう雑誌は作らなくていいんだ。僕に赤紙が来た」と打ち明けました。常子は「そんな…」とあぜんとします。

五反田は常子に社判を渡し「社長が出征した時、預かったんだ。五反田にも赤紙が来たら、小橋君に渡せと言われている。戦争も長続きすまい。きっとじきに終わるさ。それまで君が持っていてくれないか?」と頼みました。

そして「君一人になっても、甲東出版は存続できるようにしておいたから。うちにたくさんある蔵書を貸与する場所としてここを使う。名目としてはその管理業務をしているとすれば、経営もなんとか継続できるだろう。固定給はないが貸した分だけ君の取り分になる」と言います。

常子が驚くと、五反田は「うちの会社がなくなれば君は無職だ。そしたら勤労動員になってどこか遠くへ駆り出されるかもしれない。その時、家族は誰が支えるんだ?」と説明しました。

常子が「ありがとうございます」と涙ぐむと、五反田は「おいおい、泣きたいなら僕の胸を貸そうか?」とおどけ、常子は「結構です」と笑います(笑)

五反田は「ハ君にもう一つお願いがあるんだ。戦争が終わったあとはどんな雑誌にするか考えておいてくれないか。甲東出版はこれで終わりじゃない、休刊だ。僕も社長も、必ず生きて戻ってくる。その時は僕たちが心から作りたい雑誌を作ろうじゃないか」と言いました。
数日後、五反田は出征していきます。

昭和二十年一月、常子は甲東出版を貸し本屋として切り盛りしながら、なんとか生活していました。しかし戦争は確実に小橋家の暮らしを侵食し始めていたのです。僅かに配給される食糧はサツマイモばかり。燃料も乏しく、冷え込む冬の夜を4人で寄り添い寒さをしのぎます。ようやく眠りについたかと思えば、繰り返し鳴り響く空襲警報におびえ、一家の疲弊は増幅されるのです。

家庭菜園で、常子は美子を笑わせ、君子は花を生け、鞠子は何かをすりながら読書し、美子は花びらの飾りをもんぺにつけました。
東堂先生(片桐はいり)が「さやかですが、こうした心がけが、小さな幸せを生むと私は思っています。そんな瞬間を、大事にしていく人でありたいと」と話していたのを常子は思い出します。

防空演習で、バケツリレーが行われました。倒れてしまった女の人を、三宅が「何をしておる!貴様 何をタラタラと!早く起き上がれ!アメリカの攻撃は待ってくれないんだ」と怒鳴りつけます。

常子は「ちょっと待って下さい。演習が大切なのはよく分かります。ですがこれで具合を悪くしてこの後動けなくなって肝心な時に助からなかったら元も子もありません」と意見しました。

三宅は「組長に意見するとは何事だ!俺はお国の訓令により組長を仰せつかったんだぞ。それに盾つくという事はお国に盾つくという事か!分かった!いいだろう。ただし防空演習を休むなら非国民と見なし お前らの家の配給を一人分減らす」と言い出し、常子は何も言えなくなります。

さらに三宅は「何だこれは」と美子がもんぺにつけていた花飾りを取り「こんなものをつけて浮かれやがって。兵隊さんたちが命を張って戦っているのに、こんな事をして不謹慎だと思わんのか」と言い出しました。三宅は花飾りを君子に返してくれたのは、ホッとしましたね。

小橋家、常子は怒りがおさまりません。鞠子は「とと姉はいつもまっすぐすぎるのよ!わざわざもめる事もないでしょう!やり過ごす事で丸く収まるならその方がいい時だってあるわ」と言います。

真中稲子が来て、卵を1個おすそわけしてくれ「いろいろ大変だと思うけど、恨まないであげてね。組長さんの事。出征してる息子さんからずっと届いてた手紙が途絶えたらしいの。心中察するとねぇ」と話しました。

稲子が帰ってから、鞠子は「監視に来たのかもしれない。組長さん言ってたじゃない?うちの中に花が生けてあるって。どうして知ってたの?もう誰を信じていいのか分からない」と疑います。

連続テレビ小説 とと姉ちゃん あらすじと感想
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