花燃ゆ 第17回 松蔭、最期の言葉


安政6(1859)年10月26日、江戸伝馬町の牢、吉田松蔭(伊勢谷友介)は「呼び出しの声まつ外に今の世に待つべき事のなかりけるかな」と句をしたためました。いよいよ最期の時が来てしまいましたね。

今回は蝉の音がうるさいだけでなく、ついに音楽まで重なってしまって、一部の台詞が聞き取れませんでした。けっこう素敵な台詞だったと思うんですけど…。音響効果に酔って、観ている人のことを考えてないんでしょうね(汗)

4ヶ月前、松蔭は牢屋へ入れられました。大老・井伊直弼(高橋英樹)は北町奉行・石谷穆清(橋本じゅん)から松蔭の取り調べが始まると報告を受けます。井伊は「手を緩めるな!攘夷を旗印に朝廷に取り入り、国を大乱に導こうとする者らを、決して許してはならん。

岩倉獄、文(井上真央)すみ(宮崎香蓮)は入江九一(要潤)野村靖(大野拓朗)に面会に行きました。表へ出ると、前原一誠(佐藤隆太)がいて謝ってきます。

杉家、久坂玄瑞(東出昌大)と文が久しぶりに笑顔で話してるのを、滝(檀ふみ)もうれしそうに眺めていました。百合之助(長塚京三)が入ってくるのを、滝が止めます(笑)

伝馬町の牢、松蔭が金子を差し出すと、牢名主・沼崎吉五郎(佐藤二朗)は硯と筆を返してくれました。高杉晋作(高良健吾)が金子を差し入れてくれたのです。松蔭は「牢の中では蔓(つる)がすべてでね。金子のことです」と高杉に笑いました。大沢さんと佐藤さんが共演した「JIN-仁-」にも似たようなシーンがありましたね。


萩城、小田村伊之助(大沢たかお)が周布政之助(石丸幹二)長井雅楽(羽場裕一)に、江戸にいる高杉が様子を知らせてくれるので、安心だと話します。すると高杉の父・高杉小忠太(北見敏之)が縁談があるので萩へ戻して欲しいと慌てだしました。高杉家へ戻った小忠太は家臣に美しい娘を探すよう命じます。15才の井上雅(黒島結菜)は弓の稽古をしてました。

牢、沼崎は松蔭に「明日、お白州で先生の話に感じ入る奴がいたら、そいつは罠だ。安心させて本音を引き出そうという魂胆だ。いいか、ほめ言葉に乗るな。無駄死したくないならな」とアドバイスしてくれました。

7月9日、石谷から梅田雲浜(きたろう)と何を話したかと聞かれ、松蔭は禅の話などしかしていませんと答えます。奉行たちは松蔭の動きをつかんでいなかったのに、松蔭は「実は私は死罪に当たる罪を犯しております。この国のためを思い、よくよく考えたうえでのこと。己の行いに何一つ恥じるところはございませぬ」と言い出しました。

石谷が「吟味とは離れてのことだが、罪とどのような?」と擦り寄ってくると、沼崎のアドバイスにもかかわらず、松蔭は間部詮勝(堀部圭亮)を待ち伏せて、諌める計画を話してしまいます。石谷が「聞き入れられられなかったら、刃を向けるつもりだったのか」と驚くと、松蔭は「そこまでは考えておりませなんだ」と笑いました。

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文と玄瑞は、伊之助から松蔭のことを聞きます。伊之助は松蔭に会って、真意を確かめることにしました。寿(優香)は篤太郎たちのためと言いながら、旅支度をしてくれます。

松下村塾、伊藤利助(劇団ひとり)が長崎から戻ってきました。文が「道に迷うて、ここへ帰って来る方たちがいたら、その方の力になってあげてくれませんか?そして皆で待ちましょう。兄もきっと帰って来ます。塾生の皆さんがいるこの場所に」と話すと、前原も塾に戻ってきます。

牢、高杉が「萩へ戻れと藩命が来ました。悔しゆて仕方がありません。先生が命をかけて御公儀と渡り合うとるんに、僕はまだ己のしに場所すら見つけられん」と悔やみました。

松蔭は「それは生きよということです。君は生きて、何かを為さねばならん。僕は知っています。どんなに無頼を装っても、君の殿を敬う気持ちはいつも揺るがんかった。ならばいっそ忠孝に徹したらどうでしょう。萩に帰りなさい。愚直に己を貫く時、君は、君と笑い、君と泣き、君を慕い、そうした者たちの中に必ず輝く。萩には君の友がいます」と励ましましたね。

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江戸城、梅田雲浜の死と松蔭の企みの報告を石谷から受け、井伊は「なお一層厳しく調べよ!吉田寅次郎、山鹿流兵学師範であったな?なぜだ?なぜ自ら罰せられるようなことを」と不思議がります。

牢、伊之助が松蔭を訪ねてきました。松蔭は自分から罪を打ち明け、井伊と会いたかったがだめだったと本心を打ち明けます。伊之助は「寅次郎、お前の志とはたかだかそれしきのことか。何のために俺たちは出会うた。萩の町で、ただ2人。心を屈したまま命のやり場に迷うなど、お前らしゅうもない。尽くし動かざれば、なお尽くす。それこそがお前の至誠ではないんか?諦めるな!お前の魂が不朽となる望みはまだある」と話しました。松蔭は「ありがとう。お前がおってくれてよかった」と感謝しましたね。

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10月5日、吉田松陰の取り調べが再び行われます。御簾の後ろに井伊がいると察して、松蔭は「天子様のお許しも得ず、メリケンとの条約を結んだ井伊様こそ不敬の至りでござる。徳川家が200年以上の長きにわたり、この日本国を太平に保たれて来たのは、公方様が徳をもって治められてきたからに相違なく。

しかし今幕府はこの国の未来を憂えて立ち上がった者たちを次々に捕らえ、拷問し処刑している。、徳ではなく力で政を押し付けんとする井伊大老にこの国の未来を託すことはできましょうや!己の命など!若き日、私は日本国中を歩き回りました。どの地にも人がいて、みな己の幸せを信じて懸命に生きていた。その営みを脅かす者があるならば、異国であろうと、御公儀であろうと、私は戦いを挑む覚悟にございます」と訴えました。

井伊直弼は出てきて「吉田寅次郎、ならば言おう。国を混乱に陥れているのはお前たちの方ではないか?」と松蔭の前に立ちます。松蔭が「我らはただ我らの思う一歩を踏み出し、国を救いたいと思うておるのみ」と言うと、井伊は「その一歩とは攘夷か」とたずねました。

松蔭は「異国の大筒に脅され、国を開いては、いずれ日本国は異国の思うがままにされてしまいます」と答えると、井伊は「なればこそ、国は強くならねばならん。異国に国を開き、異国の手を借りてでも」と返すと、松蔭は「草莽に耳をお傾けくだされ」と訴えます。

井伊が「秩序を欠いては、国は国でなくなる」と言うと、松蔭は「もはやこの国はただ一握りの者たちでは持ちこたえられません。万人が力を尽くし守らねば。徳を無くした果ての政は、亡国にございます」と話しました。

「許さぬ」と井伊が凄みますが、松蔭は「もとより命など惜しんではおりません」と怯みません。松蔭が引っ立てられた後、井伊直弼はフーっと息を吐きましたね。

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10月27日、松蔭は留魂録の最後の1冊を、長州の者に渡してと沼崎に託しました。

萩、滝や百合之介それに文は、松蔭を感じますが、振り向くと、そこに松蔭はいません。

やがて伊之助が萩へ戻ってきて、松蔭の遺品を持ってきました。「親思うこころにまさる親ごころ 今日の音づれ何と聞くらん」伊之助が「10月27日、寅次郎はこれを遺して」と報告します。

松蔭は「今、私は死を前にして、心安らかです。今さら誰を恨もうという気もありません。それは命について、こう悟ったからです。春に種をまき、夏に苗を植え、秋に実り、冬には蓄える。人にも同じように、四季があります。人の命とは歳月の長さではない。10才で死んでいく者は10才の中に、20才で死んでいく者は20才の中に、それぞれ春夏秋冬があり、実を結んでいる。

私は30才ですが収穫の時を迎えたと思うております。もし同志の中で私の心を継いでくれる人がいたら、私の実は空ではない。どうか一粒の籾として、次の春の種となれますよう」と微笑みながら、散っていきましたね。

大河ドラマ 花燃ゆ あらすじと感想
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